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会場プログラム

 

会場内にはまるで海からあがった珠洲焼のように、民具がいくつかのエリアに展示してあります。点在する小屋には、複数のアーティストの視点で据えた、珠洲の歴史や風景、風土などをテーマとした作品が展開されています。アリーナにある砂浜は、氷河期の珠洲の砂が敷き詰められ、白化した貝殻の上には、波の映像がその風景を蘇らせます。民具にかすかに残る記憶の余光は、珠洲の物語へとつながり、海底の時間の渦に巻き込まれていくかのように会場を巡り歩くこととなります。

キュレーション・演出/南条嘉毅

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大川友希

『待ち合わせの森』

役目を終えたキリコと古着を裂いて結びなおした紐を用いて、森のように豊かな、あまたの記憶に満たされた場所をつくる。

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OBI

『ドリフターズ』

奥深い蔵を潜り抜けるかのよな空間に配されたさまざまな道具の集積から、奥能登の歴史や食文化を体験することができるインスタレーション。

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久野彩子

『静かに佇む』

使い古された農具の欠けや割れ目が細密な金属の造形物によって繕われ、幾時代も続いてきた珠洲の農村風景が浮かび上がる。

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世界土協会

『Soilstory -つちがたり』

「あえのこと」や地元の人の「土の記憶」のリサーチをもとに、「大蔵ざらえ」で集まったモノと映像で構成するインスタレーション。

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竹中美幸

『覗いて、眺めて』

大倉ざらえで見つかった、ある人物の日記ごしに覗いた珠洲の現在と過去。どことも知れず漂う物語を半透明なガラス小屋の中につくる。

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南条嘉毅

『余光の海』

珠洲の古代の地層から掘り出した砂を敷き詰め、木造船、古いピアノなどを据えて映像を照射。土やモノがはらむ記憶の残照が浮き上がる。

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橋本雅也

『母音/海鳴り』『雲海』

能登瓦の工場跡地から採取した粘土や、太古の海の記憶を繋ぐ鯨の骨が、歴史と共に今もあり続ける珠洲の原風景へと誘う。

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三宅砂織

『The missing shade 59-1』『Seascape Suzu『Untitled』

船の古材を配した空間に、過去と現在の船の写真やフォトグラムを組み合わせた映像インスタレーションを展開する。

プロジェクトメンバー

ディレクター/北川フラム

キュレーション・演出/南条嘉毅

民俗文化アドバイザー/川村清志(国立歴史民俗博物館)

建築改修・空間設計/山岸綾(サイクル・アーキテクツ)

音楽/阿部海太郎

特殊照明/鈴木泰人(OBI)

造形・演出サポート/カミイケタクヤ

映像記録/映像ワークショップ

民族資料保存・活用アドバイザー/川邊咲子(国立歴史民俗博物館)

グラフィック・商品デザイン/KIGI

 施設情報

▶入場料
 一般800円[700円]/大学生600円[500円]  
 小中校生400円[300円]/未就学児無料  
 ※[ ]内は団体料金(10名様以上)

▶開館時間(会期中)
 9:30-17:00

▶住所
 〒927-1321 石川県珠洲市大谷町2-47

大蔵ざらえ

奥能登国際芸術祭では、「大蔵ざらえ」と銘打ち、家々に残る生活用具の数々を収集しました。「蔵ざらえ」は、商店が店じまいするときに使われる言葉ですが、過疎高齢化の進む珠洲においては「家じまい」が進んでいます。そこにはなじみ深い家具・調度・道具・什器・備品・祭り用品・日記・ノートなど、貴重なものが無数にあります。それら蔵にある品々を皆で掃除・移動し。保存・研究すると同時に、アーティストの創作によって「珠洲の語り部」としても活用していく取り組みです。

珠洲の生活用具

 

かつて生活に用いられた多くの道具類は、時代の移り変わりとともに忘れ去られ、蔵の中に仕舞われたままになっています。江戸時代から用いられた前腕、衣食住、祭りや行事に関わる道具、農業や漁業、製塩など生業に関わる品々もあります。今回の大蔵ざらえで収集した生活用具は1,500点以上にのぼります。集められた生活用具は、一点一点、聞き取りで得られたデータと実測値を付与されて資料化されていきました。その一部は、シアターミユージアムにおいて紹介されています。

民俗文化アドバイザー/川村清志(国立歴史民俗博物館)