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企画公募の現地見学会レポート

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2022年11月2日更新

『 奥能登国際芸術祭2023』に向けて10月2日に行われた現地見学会。県内外から参加した一般公募作家22名に北川フラム総合ディレクターは、「ほかの地域の芸術祭と比べ、珠洲は海や山などバラエティに富んでいる。こうした特色を生かした作品の提案に期待している。」とあいさつをしました。また、泉谷満寿裕実行委員長(珠洲市長)も歓迎に訪れ、「芸術祭が珠洲の魅力を高めている。見学会を通じて珠洲の魅力を感じ、企画提案に活かしてほしい」との言葉があり、見学会がスタートしました。
参加者は公共施設など作品展開候補地や常設作品を中心に市内を巡りながら、北川総合ディレクターの候補地や常設作品の風景をはじめ、珠洲固有の歴史や文化など背景の解説について熱心に聴き入り、構想を練っていました。 

(1)道の駅すずなり(旧珠洲駅)

2005年に廃線となったのと鉄道能登線の旧珠洲駅があった場所は、金沢と珠洲を結ぶ特急バスと地域公共交通のターミナルとなっているほか、道の駅すずなりとして観光案内や地域の特産品を販売するなど、珠洲を巡る際の玄関となっています。道の駅の敷地にはかつての鉄道のホームや線路が保存され、当時の面影を残しています。今回の現地見学会の受付やガイダンスを行いました。

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集合場所となった道の駅すずなり前

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あいさつをする北川総合ディレクター(右)

(2)上戸の舟小屋

内浦の穏やかな海辺を望む舟小屋。所有者は漁をやめ、建物だけが残っています。かつては海に面した船小屋が多く、漁を行っていました。

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海沿いに建てられた船小屋(左奥)。

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船小屋の中。船などは撤去されている。

(3)春日野の蔵

昭和初期の土蔵。元は酒蔵として使用されてきましたが、所有者の代が変わってからは定置網の網元として、網の保管庫となっていました。

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定置網が保管されている蔵(右)
奥能登国際芸術祭2020+では定置網を使用した作品を展開した。

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蔵内部は2階建てとなっており、1階部分の地面は砂となっている。
2階には網が保管されている。

(4) 旧柏原保育所

1994年に閉所となった保育所。奥能登国際芸術祭2020+では子どもたちからイラストを集め、かつての保育所としてのにぎわいを思い出させるような作品が展開されました。見学会の翌日が集落の秋祭りということで能登特有のキリコにも遭遇。芸術祭期間は珠洲の秋祭りの時期とも重なります。

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キリコ(手前)と旧柏保育所外観(奥)

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保育所施設内の様子。

(5)さいはてのキャバレー

昼食会場となった「さいはてのキャバレー」。元は珠洲と佐渡を結ぶフェリーの発着場、航路の廃止後、物産店やレストランと変遷を重ね『奥能登国際芸術祭2017』で「さいはてのキャバレー」として再生。現在はイベント会場などとして活用されています。屋外には2021年の芸術祭で制作された「石の卓球台3号」(浅葉克己)が据えられ、昼食後に卓球を楽しむ参加者も。

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昼食はスズ弁。珠洲の食材や料理が詰まった弁当を堪能した。

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休憩中に卓球を楽しむ様子。

(6)旧図書館

2019年3月新図書館がオープンしてからは、生涯学習センターとして地域のみなさんに利用されています。

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施設入り口。

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図書閲覧室の写真。本は移設され、本棚だけが残っている。

(7)旧大坊小学校跡地

若山小学校への統合によって1981年3月に閉校となった旧大坊小学校。その跡地には1986年に地域の集会所が建設され、隣接して現在「能登牛」としてブランド化された黒毛和牛の競売所と牛舎が整備されました。

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大坊小学校跡地。前方の草が生い茂る場所が当時のグラウンドだった。

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牛舎として使われていたころの面影が今も残っている。

(8)スズ・シアター・ミュージアム

劇場型歴史民俗博物館をコンセプトに、『奥能登国際芸術祭2020+』で旧西部小学校体育館を改修して誕生しました。
珠洲市内一円から集められた使われなくなった民具が作品として生まれ変わり、民具が主役となった、音と光、映像とが融合した空間に、
参加者も時間を忘れて鑑賞されている様子が見られました。

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施設内には総勢8組のアーティストによる作品が展開されている。正面に見える作品は「覗いて、眺めて、」(竹中美幸)。

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施設内を鑑賞している様子。

(9)笹波海岸

穏やかな砂浜が広がる内浦とは対照的に岩礁が連なる外浦の海岸。参加者は風景の違いやそれに伴う人々の暮らしについても思いを巡らしていました。

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外浦の海岸を写真に収める参加者。

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(10)鉢ケ崎海岸

松林の向こうに広がる穏やかな表情の鉢ヶ崎海岸。透明度が高く日本の渚100選にも選ばれ、天候によって北アルプスを望めます。

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鉢ヶ崎海岸に行く道中に広がる松林

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鉢ヶ崎海岸の様子。夏は海水浴やキャンプをする観光客でにぎわう。

(11)旧島崎家

かつて北前船の廻船問屋を営んでいた旧島崎家の屋敷。明治初年から廻船業と船宿を営んでいた屋敷の一部が、明治期廻船業者の民家様式として今も残っています。見学会には末裔の方が駆け付け、歴史などを直接紹介いただきました。

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旧島崎家の外観。

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旧島崎家を案内していただいた赤坂さん(左端)と矢作さん(左から2番目)

(12)旧蛸島駅周辺

道路で断ち切られた線路跡に設置された、色を変えながらうねるような空間。2017年の芸術祭で制作された「Something Else is Possible / なにか他にできる」(トビアス・レーベルガ-)が常設展示されています。

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作品を見学する参加者

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のと鉄道の廃止により使われなくなった電車(中央奥)

 現地見学会にご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。今回、参加できなかった方は、当日の配付資料をご確認ください。

企画公募の受付は11月11日(金)から11月25日(金)までです。みなさんのご応募をお待ちしています。
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