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作家現地視察レポート

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弓指寛治〈日本〉

視察日 | 2023年1月11日


主な視察場所: 飯田町、狼煙町、岬自然歩道など

弓指さんは、三重県の伊勢市出身のアーティスト。

珠洲視察は寒さ厳しい1月に、飯田から三崎・日置、狼煙、木の浦エリアというコースで行われました。

狼煙で訪ねた船小屋は、近年、独特の雰囲気が評判になり、観光客にも人気が高まりつつあるエリアです。

海岸に沿って高床式倉庫のような脚長の木造建屋の家並みは、 最涯珠洲の最涯景観の中でも特に個性的なものの一つです。

かつて日本海が国内国外物流の重要航路だった時代、狼煙は珠洲の北東端に位置していていることから、

佐渡からやって来る西回り船の目当ての地であり、交易船の中継地点の役割を果たしていました。

また、天候がくずれ海が荒れた時には、避難港としての重要な役割も果たしていたようです。

穏やかで静かなこの浦の景色は、はるか昔、荒れた海を逃れて寄港する北前船の船員たちにとっても心休まるものだったに違いありません。

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船小屋にて

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狼煙の海岸にて

弓指さんは、かなり熱心に船小屋を視察します。

1階が終わると、わざわざ梯子を運んできて2階もチェック。2階窓から広がるビューもチェック。

2階窓に切り取られた美しい景色には、強く強く惹かれているご様子でした。

「僕の作品の展開場所としては、非常に面白い!」。

その言葉を残して、次の視察場所、木ノ浦へ移動していきました。

木ノ浦で視察したのは、2017年に鴻池朋子さんが作品展開をした岬自然歩道。

かなり急な上り坂も苦にせずスタスタと歩みを進める弓指さん。

途中、猪の足跡を見つけたり、美しい夕焼けに出会ったりと、珠洲の自然を存分に楽しむ姿がとても印象的でした。

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岬自然歩道にて

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椿展望台にて

さてさて弓指さんは、熱心に視察した狼煙の船小屋にお決めになったのか。

それともそれ以上にいい場所を見つけられたのか。