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ディレクター便り vol.9

文:北川フラム(総合ディレクター)
2023年7月20日更新

9月23日からの51日間、珠洲市内を舞台に『奥能登国際芸術祭2023』が開幕します。それにあわせて、「ディレクター便り」の連載がスタート。総合ディレクター・北川フラムが「珠洲のいま」について綴ります。

震災後70日を経た現在、①復旧の足音が聞こえ(珠洲にある県内唯一の製炭業社「ノトハハソ」の修復後初の炭出しが行なわれた)②義援金1億6057万円の配分が決まり(全壊60万円、大規模半壊15万円等)③さまざまな援助活動(スズ・シアター・ミュージアム付帯レストラン潮騒レストランの監修「ぶどうの木」による子どもへの菓子提供と、市への寄付、チャリティコンサート、展覧会等)の他、④子どもたちへの安全教室開催などの教育が始まった、などが報告されています。

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嘉春佳さんによる古着で器をつくるワークショップの様子

芸術祭に向かっては、①嘉春佳さんによる「祈りのかたち」(旧上黒丸小中学校)で思い出の服を使っての器づくりが始まったこと②マリア・フェルナンダ・カルドーゾさんによる「種のタイムカプセル」(旧鵜島保育所)で1万個の松ぼっくりや椿の殻の選別が始まり、あと2万個の種集めを目標としていること③梅田哲也さんの「遠のく」(内方の旧養蚕施設)の骨格ができたことなどが進んでいます。

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マリア・フェルナンダ・カルドーゾさんの作品に使う、松ぼっくりの仕分けをしてくださっている地元のみなさん

梅田さんの作業が始まった頃、屋内にツバメが巣を作り(私も見ました)その飛翔の姿が美しいとの嬉しい感想も寄せられています。

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梅田哲也さんの作品展開場所、内方の旧養蚕施設

着々と準備が進められています。7月25日の金沢でのプレイベントを楽しみにしてください。 

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北川フラム