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ディレクター便り vol.7

文:北川フラム(総合ディレクター)
2023年7月5日更新

9月23日からの51日間、珠洲市内を舞台に『奥能登国際芸術祭2023』が開幕します。それにあわせて、「ディレクター便り」の連載がスタート。総合ディレクター・北川フラムが「珠洲のいま」について綴ります。

まずは復旧について。
・蛸島漁港の復旧が7月中に完了。
・ 公営の住宅整備を行う。
・正院地区の土砂崩れ国負担で復旧 等々。

住民を励まし、復旧に汗を流すボランティアに感謝を伝える催事が行われたり、応援、寄付、元気づけの言葉もとても多いです。

奥能登国際芸術祭2023で行われるさいはての朗読劇「うつつ・ふる・すず」に出演し、珠洲焼応援団長でもある常磐貴子さんは珠洲に自ら足を運んで「開催を決断した勇気に感動した。世界中から人が集まり、珠洲復興へ」と復興へエールをくださいました。

まずい話も出始めます。「解体前に窃盗被害、エアコン、タイヤ」「高額な代金を請求する押しかけ修理」等。

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蛸島漁港

芸術祭関係では、スズ・シアターミュージアムのレストラン・インフォメーション施設の名称が「潮騒レストラン」に決まりました。もともとあった旧西部小学校のランチルームの名前からとったものです。会期に向けて着々と工事・準備が進んでいます。

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決定した「潮騒レストラン」公式ロゴ

そして今年の作品第2号となる、植松奎二さんの「みえないエネルギー 天と地と海との間に」が完成し、旧本小学校で地元の方にお披露目しました。

珠洲の冬に激しく鳴り響く「鰤おこし」からインスピレーションを受け、旧本小学校の体育館を「稲妻の森」に見立てた作品です。素材は珠洲のヒノキと、以前台風で倒れてしまった大谷神社の御神木。

三崎の本周辺に作品ができたのは初めてですが、区長さんをはじめ地元の方が作品を受け入れてくださり、会期中の運営にも意欲的に協力いただけそうです。

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植松奎二「みえないエネルギー 天と地と海との間に」

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地元の方に作品の説明をする植松さん

最後に、復旧される蛸島漁港が「イカシマ漁港」として扱われている高松美咲さんの人気漫画「スキップとローファー」のアニメが最終回を迎えましたが、各種配信サイトでも見ることができます。漫画は引き続き連載中。珠洲の風景が出てきていて、内容も気持ちがよい。おすすめです。

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北川フラム