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ディレクター便り vol.5

文:北川フラム(総合ディレクター)
2023年6月21日更新

9月23日からの51日間、珠洲市内を舞台に『奥能登国際芸術祭2023』が開幕します。それにあわせて、「ディレクター便り」の連載がスタート。総合ディレクター・北川フラムが「珠洲のいま」について綴ります。

先週は正院に応急仮設住宅が4戸完成。また、被災した珠洲焼作家を支援するために県内外の有志で結成された「珠洲焼応援団2023」が、壊れた窯の再建に向けて動き出しました。

復旧の動きとともに芸術祭の準備も始まっています。たとえばガイドブックも 5月5日以降、組み換えもありますが着々と制作が進んでいます。今回の特色は食を中心とした珠洲の深掘り特集です。 

坂茂さんのスズ・シアター・ミュージアムにできるレストラン・ショップのメニューは金沢に本社があり今は全国初でもある人・農・自然がテーマの〈ぶどうの木〉の総料理長米田岳人さんが担当してくださって、試食会も行われ検討が重ねられています。乞うご期待。

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建設中のスズ・シアター・ミュージアム レストラン・ショップ

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珠洲の食材を生かしたランチプレート

珠洲は里山里海の地でもともと野の食材、海の食材に強いのですが、ほかに塩と炭が良質で名産。また珪藻土、珠洲焼があり、料理食卓まわりが充実しています。そのうえ、〈あえのこと〉、秋まつりの〈ヨバレ〉という土地に根差した伝統的な生活儀式があります。この能登地域は〈世界農業遺産〉ですが、その理由でもある季節ごとの旬の食材、食卓の彩りにおいて、珠洲は群を抜いて素晴らしい。ガイドブックは締め切りの最後までよいデッサン、写真をいれていくつもりです。仕上がりが楽しみです。

また、スズ・シアター・ミュージアムでの公演、田中泯の〈場踊り〉、長塚圭史演出、阿部海太郎音楽、大崎清夏脚本、南条嘉毅美術、常盤貴子出演の〈さいはての朗読劇〉、その他珠洲の自然の中での公演、劇団三毛猫座+熊田悠夢の〈海のまぼろし〉、世田谷シルクの〈おくのとのきおく〉もこの地にかかわるので楽しみです。 

最後に毎月代官山でやっているハイブリッドのフラム塾の今日6月21日は〈奥能登国際芸術祭特集〉でさわひらき、SIDE COREと私が出演します。お申し込みの方は以下にアクセスしてください。 

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北川フラム塾 芸術祭を横断的に学ぶ 第20回 「奥能登国際芸術祭2023にむけて」
 (ゲスト:さわひらき、SIDE CORE)

今回は、9月23日から開催される「奥能登国際芸術祭2023」の参加アーティストである、さわひらきさんとSIDE COREのお二組をお呼びします。「奥能登国際芸術祭2023」は、5月5日に発生した地震による珠洲市内の被害を考慮し、開幕を3週間延期し、9月23日より51日間にわたって開催されることになりました。さわひらきさんとSIDE COREのお二組から、過去の作品や芸術祭の参加作品についてお話しいただくとともに、ディレクターの北川より、芸術祭も含めた珠洲市の最新の状況についてお話しします。

[日時]2023年6月21日(水)19:00~21:00(18:45開場)
[お申込み]https://fkcs-2023-06-21.peatix.com/ 

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芸術祭事務所から見える、夕暮れの吾妻橋

地震に負けない珠洲、元気なスズに!
豊穣の里山、里海にアートと食 14の国・地域からアーティストが集結  


北川フラム