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ディレクター便り vol.4

文:北川フラム(総合ディレクター)
2023年6月13日更新

9月23日からの51日間、珠洲市内を舞台に『奥能登国際芸術祭2023』が開幕します。それにあわせて、「ディレクター便り」の連載がスタート。総合ディレクター・北川フラムが「珠洲のいま」について綴ります。

6月10日、奥能登国際芸術祭の企画発表会がラポルトすずで行われました。震災後ということで関係者を前にして、泉谷満寿裕実行委員長の挨拶と実行委員会最高顧問の馳浩石川県知事の映像での挨拶と私の作品説明があっただけですが、素晴らしかったのは海外を含めて12人の作家のメッセージが映像で届いたことです。

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作品プランを説明する北川フラムディレクター

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作家のみなさんからのメッセージ映像が流れる様子

作家の皆さんが地震をうけての珠洲市民の皆さんへのねぎらいと、芸術祭を開催することで珠洲の力を世界に発信するために頑張っていることを力強く伝えてくれました。感謝するばかりです。 

この間、イラン出身(アメリカ在住)のシリン・アベディニラッドが宝立の漁網倉庫での作品「流転」を完成させました。天井からの光が漁網にからめとられた酒瓶のガラス越しに光り、足許に落とす影が美しく、漁網倉庫を豊かな空間に変えるのを実感しました。 

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シリン・アベディニラッドさんの作品

またロシアのアレクサンドル・ポノマリョフも木ノ浦の公園に、小さな林の丘を囲んで作る21mの帆船のマストのようなものを、実地で検討するのに立ち合いました。巨大な共鳴管を使用しますが、ワイヤーが共振する風の音は得も言われぬ音で、遥かむこうの大陸から聞こえてくるような気がしました。完成が待たれます。 

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作品イメージを話すアレクサンドル・ポノマリョフさん

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焼酎タンクとワイヤーを繋ぎ風で音が鳴るかを実験

お会いする人たちが、復旧、復興の目途もたち、元気になられていくようで嬉しかった珠洲での滞在でした。

地震に負けない珠洲、元気なスズに!
豊穣の里山、里海にアートと食 14の国・地域からアーティストが集結  


北川フラム