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ディレクター便り vol.16

文:北川フラム(総合ディレクター)
2023年9月6日更新

9月23日からの51日間、珠洲市内を舞台に『奥能登国際芸術祭2023』が開幕します。それにあわせて、「ディレクター便り」の連載がスタート。総合ディレクター・北川フラムが「珠洲のいま」について綴ります。

9月2日、金沢21世紀美術館で奥能登国際芸術祭のサポーター説明会が開かれました。私が芸術祭の作品の解説を中心に、この芸術祭の目的と、この半島がもつ特色とそこでのアートの役割について話したあと、一般社団法人サポートスズのスタッフがサポーターとしての実際の関わり方について丁寧に説明しました。

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サポーター説明会の様子

約40名の方の参加があり、年配の方もおられ嬉しい限りです。51日間で48箇所のサイトがあり、この運営が結構大変です。土日祝日はそれなりのご参加がありますが、平日は厳しい。それでも多くの方が全国から来られるのは嬉しいし、現在も休みをとって海外からサポーターとして参加してくださっている方もおられます。

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台湾からサポーターとして参加してくださっている陳守玉さん。

それは一つの作品、全体としての芸術祭を成功させようという目的のもとに、地域・世代・ジャンルを超えた人々が集まって働く、話す、そのコミュニケーションの魅力のせいだと思われます。そんな機会は今どきあまりない。サポーターの活動によって日常生活が気持ちよく新たにリセットされるのでしょう。見にこられるとともに、もう一歩内部に入ってみると面白い。おすすめです。

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会期に向けて、会場のみなさんと一緒にスズサポの掛け声「やっさー!」

そして先週は、奥村浩之さんの作品「風と波」が完成し、地元の方へお披露目会を開催しました。タイトルの通り、風と波を全身で感じることができる鰐崎海岸に、見る時間によって表情を変える彫刻作品が完成しました。

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奥村浩之「風と波」

この作品は会期が終わった後も常設作品として残る予定で、長い年月をかけて作品がどう変化していくかも楽しみ、と奥村さんは語っていたそうです。

地震に負けない珠洲、元気なスズに!
豊穣の里山、里海にアートと食 14の国・地域からアーティストが集結  


北川フラム