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ディレクター便り vol.15

文:北川フラム(総合ディレクター)
2023年8月30日更新

9月23日からの51日間、珠洲市内を舞台に『奥能登国際芸術祭2023』が開幕します。それにあわせて、「ディレクター便り」の連載がスタート。総合ディレクター・北川フラムが「珠洲のいま」について綴ります。

先週のニュースで二つ。

①「珠洲食生活改善協議会と市議会が意見交換」
これは芸術祭で郷土食を売り込むよう促す意見があったというものですが、郷土食は芸術祭の中で大切なものです。どの芸術祭でも作品の他に、地元の人と話せた、地元の食事を食べたというのがアンケートの上位にあります。どのレストラン、食事処に行っても、旬の食材、地元の工夫された料理、土地の味付けがその土地を浮き上がらせてくれます。皆さん頑張ってください。 

②「崩壊進む見附島 形状明らかに」
見附島は宝立町鵜飼にある県の天然記念物で珠洲のシンボルです。高さ約28m、長さ100m、最大幅50mの軍艦型の独特の島で人気があります。年々少しづつ崩れていますが、5月5日の地震で崩落が進みました。この形態を明らかにしておこうとドローンを使って精密撮影をする試みです。 

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現在の見附島

さて芸術祭では中島伽耶子さんの作品の改修に際しての、日頃から作品を守ってくださっている地元のみなさんに向けて感謝の会がもたれたこと。

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自身の作品「あかるい家」の前で地元の皆さんに感謝を伝える中島伽耶子さん

蛸島ではOBI「4K」の作品お披露目会があり、夕暮れ時にご近所のみなさんが集まって作品ルームツアーをしたとのこと。3作が集まる旧上黒丸小学校でも泰然+きみきみよさん、嘉春佳さん、鈴木泰人さんの作品お披露目会がありました。

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OBI「4K」作品お披露目会の様子

本会期に向け、すずアートバスの地元ガイドさんとの試乗会も実施されました。2日にわたり午前午後で4コース走るすずアートバスは人気で、地元サポーター30人がローテーションを組んでガイドを行ってくれるものですが、珠洲への深い愛情が伝わってきて、なかなか味があります。ぜひご利用ください。 

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すずアートバス試乗会で作品の勉強をする地元ガイドのみなさん

地震に負けない珠洲、元気なスズに!
豊穣の里山、里海にアートと食 14の国・地域からアーティストが集結  


北川フラム