三面を海に囲まれた珠洲。
陸からの視点では珠洲はさいはてで
あるが、海から見ればまったく異なるという。
さわは、かつて珠洲で暮らしたことがある祖父が、海の交通によって一命を取りとめたという事実をふまえ、海からの視点をテーマとしたインスタレーションを展開する。
地域へのリサーチを通して、海の記憶が紡がれていく。
三方を海に囲まれた珠洲において、かつては海上交通が主な移動手段であった。
作家は、「珠洲で暮らした経験のある祖父が大病を患った際、金沢から海
路で氷を運び
一命を取りとめた」という逸話をもとに作品を着想した。
旧公民館全体を使い、実際に珠洲で撮影された映像を中心に、船、彫刻、音、光などで構成した。
海から珠洲を見たときの幻影と家族の物語が、能登半島の
歴史と重なりながら展開された。