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珠洲の話をしよう

奥能登フラム塾

Oku-Noto Fram cram school.

珠洲市の文化や産業をテーマに、 その分野で専門的なゲストをお招きし、
北川フラム総合ディレクターと芸術祭を応援するサポーター、
市民が一緒に、珠洲市の魅力を再発見することを試みます。

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第4回

珠洲の伝統建築、生活建築

「美しい街並み」

特別編

南極会談

「coming soon」

第4回奥能登フラム塾
テーマ:「珠洲の伝統建築、生活建築」

今回のテーマは建築。寺社建築を得意とする助政建設の社長米沢さん、
石川県建具組合珠洲支部長の樋本さん、市内で工務店と設計を営む今井さんから、奥能登珠洲の建築について話を伺いました。

美しい街並み

「灯りがちょこっとあるくらい真っ暗だったんですが、とにかく緊張感が走った。それは何かというと、家並みと建物がすごいしっかりしているなという感じがしたんですね。(中略)その緊張感があって、そういう直感を大切にするところから考えると、珠洲に入った時の町並みは、僕の中では大きな財産となっています。」この北川フラム塾長の開会挨拶での言葉に代表されるように、初めて珠洲を訪れた人の多くが、その町並みからある種の緊張感や美的意識に迫ってくるものを感じるのではないでしょうか。
“珠洲の建築”と言うと、下見板張りと呼ばれる工法で作られた杉板の外壁と黒瓦がイメージされます。どちらも奥能登珠洲の風土とも関係が深く、例えば能登に多く自生している杉の木は、塩害に強いことから、沿岸部の船小屋などにも使われており、杉の木を横に張ることで釘穴を隠して雨による浸食を防ぐ効果もあるそうです。 また、釉薬で黒く塗られた瓦は太陽の熱をため込むことで雪を溶かし、雪下ろしで屋根に上がる必要がなくなるとのこと。豪雪地帯ほどの大雪は降らないものの、三方を海に囲まれ、塩害が多い地域性が建築の材料や工法ひいては景観に影響していることがわかります。  

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地域内で差異があることも奥能登珠洲の建築の特徴です。例えば、漁師町で「街なみ環境整備促進区域」に指定されている蛸島町の家は、「下流し(魚の下処理)」をするために、玄関から続く土間の廊下の先に台所とは別の水屋のある家が多かったそうです。他方、海に面していない若山町では、稲こきなどの農作業やはざ干しの稲を一時的に置いておくための広い土間があることが一般的なようで、間取りと生業が深く関係していることがわかります。
間取りのみならず、外観にも大きな差が出ます。港周辺に家が密集し海風の影響を受ける蛸島町では、細長く高さの低い建築になりがちですが、農作業のために大空間が必要で風の影響が少ない若山町では、建物全体が大きく高くなるとのこと。このような違いを楽しみながら旅をすることも芸術祭の楽しみの一つかもしれません。 

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杉板の外壁と黒瓦

黒瓦と板壁の家が軒を連ねる町並みは、日本の原風景を感じさせる。かつて能登瓦の一大産地だった珠洲。日光を浴びた黒瓦がきらきらと光り輝く光景に目を奪われる。

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漁師町 蛸島の町並み

蛸島町の白壁と下見板張りの町並みは第3回いしかわ景観大賞でいしかわ景観賞を受賞。現在もこの町並みを壊さないよう、家の修復の際に町の住民が配慮している。

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土間が広い若山の家

若山町の農家の土間庭では、田植えが一段落した時期に、豊作を願う「庭おどり」が行われていた。村の老若男女が集い、踊り明かしたと伝えられている。

このように風土や生業とともに発展してきた珠洲の建築は危機的な局面を迎えています。かつては冠婚葬祭を家で執り行い、季節ごとに兄弟や親戚が集まることも多かったため、客間として8畳間を4部屋持つような大きな家を希望することが多かったそうです。しかし、その必要性がなくなると、かつて部屋を区切っていた建具が不要となり、最盛期には50軒あった建具屋は現在7、8軒にまで減少しています。既製品の台頭も要因とのことですが、生活様式の変化が様々な影響を及ぼしていることがわかります。
市内には約1,000軒もの空き家があります。風土や生業、生活と深い関係を持った珠洲の建築に新たな価値を持った資産として活用することで、新たな産業に繋がるかもしれません。 

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かつての結婚式

昔は家で結婚式やお葬式などの冠婚葬祭を執り行った。そのため、戸を取っ払えば数十畳の空間になることを前提にした造りが多かった。

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祭りでは座敷で客人をもてなす

玄関に入るといきなり座敷という造りも多く、現在も祭りの日には家人が客人を座敷に上げてもてなす。下座敷、中座敷、上座敷がある立派な家もある。

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増え続ける空き家

立派な家が多くある一方、過疎化によって空き家が増えている。芸術祭では、空き家を活用したアートも展開している。

奥能登フラム塾シリーズ

Oku-Noto Fram cram school.